「ふぅ・・・やっと着きましたね」
「いやぁー長かったねぇ。ちょっと酔っちゃったかも」
「え!?大丈夫ですか!?」
「心配しなくてもいいよ、君に酔っちゃっただけだから」
「そ、そんな・・・」
なんとまあバカップル。
そんな声が聞こえてきそうな二人なのであった。
「でも勝平さん、何故この国に?」
そう。
今この二人は新婚旅行の真っ最中なのだ。
そして、その行き先として決まったのがここ、テヴァ国なのであった。
いくつもの内戦を経て、今ではマイナーながらも
観光地としての地位を確立しつつあった。
「いやね・・・本当になんとなく、なんだよね、本当になんとなく」
「はぁ・・・?」
よく分からない、といった感じの椋に、勝平がいう。
「あ、でも一つだけ行きたい所があるんだよね」
「?行きたい所、ですか?」
「そう、まぁ、それがこの国に決めた理由なんだよね」
「それは・・・どこですか?」
「この国の、宇宙開発センターさ」
歯車は、動き出した。
出会い、そしてはじまり。
数分後。
「Thank you.」
そうタクシーの運転手に言って、タクシーを降りる。
「やっと着いたね」
「ここが・・・宇宙開発センター・・・」
「すごいなぁ・・・」
二人が見上げる先には。
東京タワーなんて、なんと小さい塔なのだろうと錯覚するほどの巨大な建築物があった。
二人が驚きのあまり固まっていると。
「―――だから―――」
建物の中から、職員らしき集団が。
「ん?」
その中の、リーダー格のような人が、こちらを見る。
その人は、
何かに気づいたような顔をして、
こちらに走ってきた。
「「え!?」」
気付いた時には、もう既に眼前まで迫っていた。
そして、その人が発した言葉とは。
「お久しぶりです!椋さん」
「へ?」
これが、藤林椋と、能美クドリャフカの再会となるのであった。
「え・・・クドちゃん?」
能美クドリャフカ。
えきぞちっくが信条の、女の子である。
椋の記憶では、小さくて、守ってあげたい系の女の子であったはずだが・・・
「わふ?」
なんかこう・・・簡潔に言うなら、ぼんきゅっぼん、なのであった。
年月とは、こうも人を変えてしまうのかと高校の時からほとんど変わってない自分のプロポーションを見ながら思う。
「それで、クドちゃんはなんでここに?」
「言ってませんでしたっけ?ここデヴァは私の生まれ故郷なんですよ」
「そうだったんですか」
「椋さんはなぜこの国に?」
「ええ、今日は新婚旅行でここに」
「わふ!?結婚されてたのですか。おめでとうございます」
そんな、世間話が続く。
女三人集まれば、話は止まらないとは言うものの。
(二人でも十分止まらないなぁ・・・)
と、言葉には絶対に出来ないつぶやきとする勝平であった。
そんな時に。
(ん?あれは・・・)
勝平はふと二人から視線を外すと、そこに居たのは、キレイな女の人だった。
手にはキャリーケース、後ろにはクドと同じ制服を着た職員の人々。
ここから出ていくのだろう、そう勝平は想像する。
「では、御世話になりました」
そう言って職員にお辞儀をし、足早にセンターを後にしタクシーを拾う。
方向から見て、空港に向かうのだろう。
だが。
(どこかであっただろうか?)
そう・・・彼女の姿には見覚えがあるのだが、なぜか思い出せない。
よくわからない、心の中の違和感。
それを探っている内に。
「勝平さーん!クドちゃんが、テヴァを案内してくれるんですってー!」
「分かったー!今行くよー!」
椋の呼びかけに、僅かにあった違和感は忘れてしまった。
男に向かって手を振る二人に、
彼は駆け寄ったのであった。
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ふぅ・・・ようやく出てこれたわ。
あそこでの生活は楽しかったけど、やっぱりこの夢はかなえたい。
じゃあ、向かうとしよう。あの人がいる地、日本へ。
あとがき
いやぁ・・・更新遅れまくってすいません。
リアルの多忙が祟り、まったく更新できない日々でした^p^
まぁ合間合間にノートにいくつか書いたんで、それを書き起こせばいいんですがー
これ一本書き起こすだけで、相当の力を使いました・・・orz
あ、言い訳終われって天の声が聞こえましt(ry
という訳で新章です!
今回は初のクラナド×リトバスのクロスオーバーって奴に挑戦してみました。
これ、プロット上では2話なんですよね。
んで、その1話のメモを無くしてしまったと^q^
なんでノートプロットに微調整してこれが1話と相成りました。
なんで、重要人物(オリジナル)が登場しません。1話なのに。
では、ここまで見て頂いた全ての方に感謝して、ここで失礼します。