「秋夫さん、秋夫さんっ」
体が揺さぶられる感覚。
「んん・・・おお、早苗か。」
「そろそろパン・・・焼かないと駄目、ですよ?」
「ああ・・・そうだな・・・」
まだ眠いのだが、今から焼き始めなければ開店に間に合わなくなる。
「御顔洗ってきてくださいね、秋夫さん」
「分かってる、分かってるぞ・・・」
そう言いながらのたのたと洗面所へ向かう。
最早何年も住む我が家だ、たとえ眠くても洗面所へ間違い無く辿りつく事が出来る。
「ふいー・・・」
顔を洗いながら思う。
「平和だなぁ・・・」
これが一番だ、とも思いながら。
「古河さんちっ!」
トタトタトタ・・・
パンを焼いていると、二階から下りてくる足あと。
「おはようございます〜」
渚が起きてきたらしい。という事は・・・
「秋夫さぁ〜ん、渚ー、ご飯が出来ましたよ〜♪」
やはり。
早苗は渚が起きてきて、更に俺の作業が一段落した時に丁度朝飯が出来上がる。
いい嫁だ。流石は俺の嫁だな!
とか思いながら、朝飯を食べることにする。
「かぁーっ、やっぱ早苗のメシはうめぇなぁ!」
「あらあら、秋夫さん?褒めたって何も出ませんよ?」
ふっ・・・お前には幾らでも貰ってるからな。
これで十分さ。
「では、そろそろ行ってきます。お母さん、お父さん」
「おう!いってきな!」
「行ってらっしゃい、渚」
ガラガラガラ・・・
渚は学校に行く。
「さて・・・そろそろ店、開けるかな」
「はい、今日も頑張りましょう?」
こうして、今日がまた始まるのであった。
「ああ・・・暇だ・・・」
本当に暇である。
現在開店時間より約4時間。
今日の客はまだ3人しか来ていない。
まぁ・・・ピークタイムはまだまだなので、これでいいのだが。
「しかし・・・暇すぎる・・・」
とてつもなく暇だ。
いつもなら即バットを持ってガキの相手をしに行くのだが・・・
今日は早苗と取り決めた一日店番の日である。
この日に店番をほっぽり出すと、早苗がガチで泣く。
(そしてその日の夜はとても冷たい。)
だからこそ、今日だけはどこか行く訳にも行かない。
だが・・・
「暇だ・・・」
ほんとに暇だ。
とか言いながら、それなりに客は来ている為になんとか今日の分のパンは捌けた。
(いつも通り早苗パンは絶賛配布だが。)
パンの配布が終わり、家に帰ると渚が帰ってきていた。
「お、渚帰ってきてたのか」
「あ、ただいまですお父さん」
「ん?今日はあの小僧はどうした?」
「岡崎さんならもう帰りましたよ?」
ふむ・・・帰ったのなら仕方がない。
「あ、じゃあお母さんのお手伝いしてきますね」
「おう、行ってきな」
我が娘の後ろ姿を見ながら、居間に戻る。
「さて、と・・・」
俺は、朝から感じていた何かに決着をつける事にする。
あとがき
はい、ここで終了です^p^
いや、皆様にモヤモヤ感を与える為の(ry
えへへ(てめ
あ、このシリーズですが、まだまだ裏がありますw
まぁまだ完結していないので、気長にお待ちくださいw
以上、和板でした。