/side kanata





目が覚めて、理樹と私の朝食を作る。

そして、それを食べながら、理樹から今日どこに行くのかを確認する。

まぁ、それは元々聞いていた。

今日は久々に棗(妹)さんがこっちに帰って来るらしい。

だから、理樹はここを空ける。

その隙に、私はあそことの関係を断つ。

その為に、私はあの家に向かわなくてはならない。

あの、忌まわしき家に・・・





「どうしたの?佳奈多さん?」

「・・・え!?な、なにかしら?」

「いや、すごく考え込んでる顔してたから・・・」

「わ、わたしは大丈夫よ。理樹」

「それならいいんだけど・・・」

「それより、もう棗さんとの待ち合わせの時間じゃないの?」

「ん、あ!?ほんとだ、早く行かないと・・・」

「はぁ・・・昨日の内に準備しといて良かったわね」

「ほんとだよ・・・じゃ、いってきます」

「ええ、行ってらっしゃい」

ガチャ、タタタタタ・・・・・・

「ふう・・・」

やっといったわ。

うん、準備は理樹同様、昨日しておいた。

と言っても、荷物なんてほとんどないけど。

「さて、行こうかしら・・・」

あの、最低の家へ。





・・・ついた。

来るのはいつぶりだろうか。

この家なんて、もう帰ってくるなんて思って無かった。

でも、私は決着をつけなくちゃならない。

理樹との、幸福な生活を続けるためには。





ピンポーン





呼び鈴を鳴らす。

何度も、何度もきいた音。

自分の記憶にこびりついた音。

インターホンの向こうで反応した音を感じ、声に出す。

「佳奈多です。帰って参りました」

「・・・どうぞ」

ガチャ…

扉が開く。

さあ、始めよう。





「では、説明して貰おうか?」

「何のお話ですか?」

「家の息のかかった大学を用意しただろう?

なのに、何故その他の大学に入った?」

「あなた達に監視されるのが嫌だったからよ」

「ほう・・・そこまではっきり言うのか」

「当然です。私はあなた方が嫌いですから」

「・・・ふん。まあいい」

「・・・?」

どういう事なのだろう。

怒り心頭で迎え、どなり散らすと思っていた。

なのに、許すなんて言いだした。

どういう事なのだ?

「おい、あいつを呼べ」

「あいつ、とは誰ですか?」

「おまえの婚約者だ。もう決定している」

「は・・・!?」

ガラガラガラ。

そう音を立てて扉が開く。

そこには理樹ではなく、見知らぬ人間。

「もう一度聴きます。この方は誰ですか?」

「だから言っているだろう。おまえの婚約者だ」

「こんな方知りません。なので、婚約は出来ません」

「なんの話だ?これを見ろ、佳奈多」

「これは・・・!」

それは、婚約届。

しかも、私の名前から何から、全部書きこまれている。

このまま役場に提出すれば、成立してしまうだろう。

「まだ提出する気はない。おとなしく従え」

「くっ・・・」

まずい。

どうやら自分は、見えない鎖を更に増やされた。

どうすれば・・・





ちゅどーーーーーーん!!!!!!!

なんか変な音がした。

あきらかにおかしい。

「何だ!何があった!」

「分かりません!」

「はやく調べろ!」

二木家はてんやわんや。

何が起きたのだろう。

「わかりました!」

ばっこーーーーーーーーん!!!!

そのあいだも、爆発は続く。

婚約者と紹介させた男が戻ってくる。

「なにが起きてる!?」

「どうやら、庭の灯篭が爆発、その後、他の場所もどんどん爆破を・・・」

どっかーーーーーーん!!!!!!!

また爆発。

一体どうなっているのか。

ドドドドドドド!

音速もかくやという足音が聞こえてくる。





ガラッ

扉が開く。

そこに立っていたのは・・・

「やあ、佳奈多さん」

理樹だった。

「あなた、今日は棗さんに会いに行ったんじゃあ・・・」

「そうだよ。鈴に会いに行った。そしたらね・・・」

ガチャ。

「お話はそこまでだ」

何と言う事だろう。

あの男が手にしていたのは、銃だった。

「もう終わりだ。佳奈多、お前は死ぬんだ」

「なんですって・・・!?」

「あなたは狂ってる」

理樹があの男に歩み寄る。

「なんだと・・・」

「親が相手を決める?家の為に?そんな家、滅びればいい」

「理樹・・・?」

どうも、違った。

いつもの理樹ではない。

どういう事なのだろうか。

「本当に理樹、なの・・・?」





/side natume brother





「いっやふう!」

「きょーすけ!やりすぎじゃぼけー!」

鈴のハイキックが・・・すんでのとこでかわされる。





そうだー!やれやれー!

「ちょっとまってくれ橘さん」

なんだー!どうしたー!

「なんで橘にーちゃんがここに居るんだ?」

「ちょっと待て、鈴、お前橘さんをなんと呼んだ?」

「?橘にーちゃんだが・・・」

よっしゃー!もっと爆発じゃー!

「橘さん・・・」

用かー!きょうすけー!

「俺も鈴にお兄ちゃんと呼ばれてえよおおおおおおおおおお!」

「呼ぶかぼけー!」

今度のハイキックは、最高の角度できまったのであった・・・

「なんだよこれ・・・」








あとがきー!


と言う訳で第3弾です。
なんか最後、おかしな終わり方してますね。何故でしょう。
まあ当然、理由あります。
その理由とは何なのか・・・それは次回のお楽しみ。


と言うか今回、甘甘要素ひっとつもありませんねー。
うむう。甘甘好きなのに。
今回は仕方ないかなー?佳奈多ルートの中で結構シリアス色強い部分だし。


さてと。
今回もこのページに来て下さりありがとうございます。
またまた長くなってしまったあとがきですが、ここで終了します。
ありがとうございました。





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